説得力のある船橋市 税理士

外需(GDP統計の「純輸出」)の拡大に依存せず、内需の拡大で経済が成長する姿である。 輸出と輸入がほぼバランスしているので、円高や円安で一時的に生じる輸入の円高メリットと輸出の円高デメリット、あるいは輸入の円安デメリットと輸出の円安メリットが常に相殺し合い、円高方向であれ、円安方向であれ、為替相場の変動によって翻弄されない経済体質にもなる。

「純輸出」に過度に依存していないため、海外からの攬乱によって翻弄されない経済体質である。 その時、国内では格差拡大と国内需要停滞のメカニズムはなくなる。
 毎年の経常収支の黒字累積によって、日本は世界最高の対外資産超過国になっているから、海外からの受取所得は海外への支払所得を大きく上回り、所得収支は世界同時不況で縮小した○八年度でも一五・三兆円の黒字である。 貿易・サービス収支が均衡していても、経常収支の黒字は大きく、毎年増えていく。
 貿易・サービス収支の均衡と大企業製造業の役割 日本の製造業、とくに大企業製造業は、国内のシェア競争に安住するのではなく、世界のトップ企業を目指してグローバルな業界再編にチャレンジすべきである。 ポイズンーピルで海外企業による買収を防ぎ、国内市場での安全を最優先に考えるのではなく、自分から打って出て海外の優良企業を買収し、グローバルな展開を考えるべきである。
 グローバルに展開する日本の製造業は、日本からの輸出製品を最先端の技術を使った高付加価値製品に絞り、それ以外の製品の生産は海外生産拠点に移すべきである。 それによって、三つの事が起きる。
一つは日本からの輸出を絞ることによって、海外からの原材料・部品の輸入額と製品の輸出額をほぽ同額にすることが容易になり、円相場の変動によって収益を左右されない体質に変わる。  第二に、輸出を最先端技術の高付加価値製品に絞り、外国の企業には真似出来ない製品を増やすことによって、円高でも輸出価格を引き下げないですむ。
他方、輸入原材料・部品はどこでも作れる製品(コモディテイ)であるから、円高を利用し、あるいは仕入先を工夫して輸入価格の引き下げを図れる。 これによって企業の収益は増加し、経済全体としては交易条件が好転する。
 第三に、米欧先進国とデカップリングしている新興国・途上国に、海外展開のための直接投資を増やし、自由貿易によってこれらの地域と一緒に発展する道が開ける。 また、効率的な海外投資を増やすことによって企業投資の収益率を高め、経済全体としては海外からの受取所得を増やすことが出来る。
 日本の大銀行・大証券会社は本来の投資銀行業務をグローバルに展開せよ。  世界のトップ企業を目指してグローバル市場で活躍する日本企業を援けるために、日本のメジャー・バンクと大証券会社の役割も大切である。
何故なら、米欧の銀行や投資銀行は今回の金融危機で大きな痛手を蒙り、今後しばらくは活発に活動出来ないからだ。  今回の金融危機によって、「投資銀行」というビジネスーモデルが終焉したと言う人もいるが、これは正確ではない。
少ない自己資本で資本市場から巨額の資金を調達し、ハイリスクーハイリターンの証券化商品・派生商品に大量に投資する「ハイーレバレッジのビジネスーモデル」が終焉したのである。  しかし、日本のメジャー・バンクや大証券会社がやってきた株式・社債などの証券発行の引き受け業務や「M&A(合併・買収)」の仲介業務という古くからの投資銀行のビジネスーモデルは崩壊した訳ではない。

これから益々重要になってくる。 米欧の投資銀行も、本来はこの引き受け業務とM&Aの仲介業務がビジネスの中心であった。
それが二一世紀になって、「ハイーレバレッジーモデル」にのめり込んでいったのである。  日本のメジャー・バンクと大証券会社は、米欧の投資銀行が立ち直る前に、この本来の投資銀行の業務を中心にグローバルに展開し、世界経済の回復に貢献すべきである。
 とくに、日本の企業が大規模な起債によって新興国・途上国に直接投資を増やし、またM&Aで世界のトップ企業を目指す動きを、日本のメジャー・バンクと大証券会社は本来の投資銀行業務のグローバルな展開によって、バックーアップしなければならない。  雇用は医療、介護、保育、教育サービスで増える 新政権が採るべき日本の経済針路は、このように対外的には「ものづくり立国」日本の製造業のアジアを中心とするグローバルな展開、対内的には「財政中立、正常金利」のポリシー・ミックスによる国民生活重視のマクロ経済政策である。
 製造業の海外展開によって、国内の雇用が空洞化しないかという心配は、杞憂に終わるであろう。 ○九年四月末の日本の就業者の業種別内訳はこう見ることもできる。
 景気後退で就業者は前年比一〇七万人( 七%)減り、完全失業率は五・〇%に達し、更に上昇する気配を見せているが、この不況の最中でも就業者が減っていない業種が二種類ある。 対個人サービス(飲食サービス・宿泊業、生活関連サービス・娯楽業、教育・学習支援業、医療・福祉)と広義の情報通信(情報通信業、運輸・郵便業)である。
この二つの分野における就業者を合計すると、就業者全体の三二・八%、ほぼ全体の三分の一となり、製造業の就業者の構成比一七・四%を大きく上回る。  前述した「安全ネット日本計画」と「スーパーエコ日本計画」による内需拡大は、まさにこの分野の就業者を更に増やし、国内に雇用の空洞化が生ずることを防ぐに違いない。
 とくに人手不足の医療・介護・保育・教育の勤務実態の改善、医師・看護師・介護福祉士・保育士・教師の増員と待遇の改善、医療施設・介護施設・保育施設・教育施設の増加と耐震化などに財政資金を投入し、国民生活の改善と国内需要の喚起を一石二鳥で実現すべきである。  戦略的目標は国内企業の実質総生産(GDP)ではなく国民の実質総所得(GNI)。
 輸出に代わってこれからの日本経済の発展を引っ張るのは、このように国民生活の向上に密着した国内需要の持続的増加、グローバルな市場で活躍する日本の製造業の海外投資から送られてくる受取所得の増加、「財政中立、正常金利」のポリシー・ミックスを背景とする実質実効為替レートの安定、インフレ格差を反映する名目実効為替レートの円高によってもたらされる交易条件の好転、の三つであるということを、様々の角度から述べたが、これをマクロ経済の姿として整理すると、次のようになる。  第一に、これからの生活重視のマクロ経済政策の戦略的な目標は、企業の国内における生産ではなく、国民の実質所得である。
指標に則して言えば、これまでなじみの深かった「実質国内総生産(GDP)」ではなく、国民生活の基盤である「実質国民総所得(GNI)」である。  既に詳しく説明したように、「実質GDP」に「交易利得」と「海外からの純受取所得」を加えた指標が「実質GNI」である。

K政権以降の○一〜○八年中は、海外商品市況の上昇と超低金利に伴う円安によって、交易条件は悪化を続け、交易利得はマイナス、つまり交易損失に変わっていた。

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